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2025/01/08

クラウドファンディングを開始「ネパールでも安心して出産できる環境を!小さな命を救うために」

”ネパール僻地の医療アクセス課題”に取り組む 特例認定非営利活動法人 ASHA(以下、ASHA)は、医療へのアクセスが十分でないネパール地方にて一人でも多くの新生児の命を救う技術を普及するため、クラウドファンディングを開始しました。期間は2025年1月8日~2月28日、目標金額は300万円です。

クラウドファンディングページ: https://readyfor.jp/projects/ASHA-NRT2025



■背景:ネパールでの出産の現状

ネパールでは、地理的・経済的・心理的な理由から、依然として多くの妊婦が自宅での出産を希望しています。しかし、そこでは日本のように資格を持った助産師が立ち会うのではなく、義理の母親や親戚といった非専門家が立ち会うのが現状です。そのため、出産時にトラブルが発生した際、適切な対応ができず、新生児が命を落としてしまうことがあります。

原因は「不十分な医療設備」と「医療従事者のスキル不足」、それによる「住民の医療不信」で、分娩時に多くのお母さんと赤ちゃんの命が危険に晒されています。


UNICEF(2024)によると、ネパールにおける新生児死亡率(推定)は出生数1,000人あたり17人と、日本の1,000人あたり0.8人と比較すると非常に高い状況です。また、2022年の国家人口・健康調査(National Demographic and Health Survey:NDHS)によると、5歳未満の死亡の3分の2は新生児期に発生しており、特に貧困層の妊婦では死亡率が富裕層の約2倍です。

ASHAはこれまでにも、地域住民から選んだ保健スタッフによる「お母さんに施設で分娩する意義を伝える」活動は展開してきましたが、その活動の成果も、お母さんたちが行く医療施設側の体制もまだまだ不十分です。


■プロジェクト内容

これまでASHAは、「デジタル」を活用した医療の質の向上、物理的な医療アクセス課題解決、住民側のヘルスリテラシー向上に注力してきました。しかし、真に医療へのアクセス課題解決のためには医療やセルフケアの質を高めることも必須であると明らかになりました。

そこで、ASHAは、「地域側の医療体制を整える」ことにより拡大して取り組みながら、より直接的に「生まれたての赤ちゃんの命を救う技術」の普及に挑戦します。

1 実践的なシミュレーションを取り込んだ新生児蘇生法の普及

高リスクの赤ちゃんを救うための技術「新生児蘇生法」の普及を目指し、新生児蘇生法を事前にしっかりと身に着けられるようにするための「シミュレーション研修」と、「よりハイレベルな研修プログラム」の導入をします。

これは、地方だけでなく首都カトマンズでも、長期的に支援を続ける必要があります。そこで、ASHA初の国レベルの事業として、ネパールの小児科学会とともに、ネパール全国で取り組みたいと考えています。

2 地方病院の強化

今回のプロジェクトでは、私たちの主な活動地であるネパール「Likhu Tamakoshi村」から最も近い中核病院であるMantaliという市にある医療機関への設備導入と医療技術強化を狙います。具体的には、現在は簡素な医療機器しかない病院に、分娩中の母子の異常を早期に発見するために用いる「CTGモニター」という機器を導入します。

この機械を導入するとともに、医療職の研修を行うことで、より安全に出産できる環境作りをします。定期的なフォローアップを行い、最終的には現地スタッフが独立して機器を使いこなせるレベルを目指します。

3 地域保健スタッフ制度のさらなる強化

医療施設がなく、医療職もいないところにも、誰か頼れる人が必要です。それを実現するのがASHAが育成に取り組んできた「地域保健スタッフ制度」です。この制度では、地域住民から雇用された「地域保健スタッフ」が妊婦さんや生活習慣病の患者さんを毎月訪問し、健康のチェックをするとともに異常がある方には医療機関の受診を勧め、順調な方には後押しをしてさらなる健康の知識を届ける活動をしてきました。活動の中で医療職ではない「地域保健スタッフ」の知識や技術の向上、そして医療機関のスタッフとの密な連携は大きな課題だという事が見えてきています。今回のプロジェクトでは、地域保健スタッフのスキルアップや医療機関とのネットワーク強化、連携体制の構築を行い、取り組みの効果向上を狙います。


■ご支援金の使い道

このプロジェクトは、一つの課題だけを解決するものではなく、さまざまな課題を複合的に解決していく事業です。実現にはまとまった資金が必要となり「助成金」という枠組みだけでは解決しきれないため、クラウドファンディングに挑戦することを決めました。

クラウドファンディングのご支援金を活用しネパールの地方医療機関への医療機器の導入とスキル研修の実施をいたします。助かるはずの命を皆様と一緒に一人でも多く救っていきます。

< 資金使途 >

・現地スタッフ人件費・ASHAスタッフ渡航・滞在費・研修用機材・教材代・研修費用(会場費や参加者の交通費補助) 



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